白髪染めの基礎知識

白髪が目立ち始めたら、多くの人がカラーリングを考えますが、むやみに染めると髪や頭皮を傷めます。より効果的なヘアカラーリングを行うために、正しい白髪染めのハウツーを学びましょう。

白髪染め(ヘアカラー)の歴史を徹底紹介!大正時代の白髪染めも紹介!

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古代から続く白髪染めの歴史を徹底紹介!

髪の毛を染める技術は古代から存在しました。その中で白髪染めはどのような変遷を遂げてきたのでしょうか。

始まりは紀元前3000年ごろ

古代も古代、実は白髪染めの歴史は紀元前3000年ごろまでさかのぼります。古代エジプトや中国、ローマなどで行われていたことが分かっています。

ただ、その当時の白髪染めは「美しさ」のためというよりは「宗教」としての意味合いを持つケースもありました。例えばエジプトでは魔除けや豊作を祈って、真っ黒に染められていたようです。

天然の染料で染めていた

古代の白髪染めは天然の素材が原料でした。ローマではミョウバンや生石灰などに古くなった葡萄酒を加え、水で溶かしたものを塗布し、数日放置することで金髪に染めていました。これは「ブロンド化粧水」と言われていたそうです。

また、エジプトでは鉱物やハーブなど植物の樹液を、中国では鉄や茶葉の抽出物を使用したそうです。使用される原料は、それぞれの地域ならではのものが多いように感じられますね。ちなみにエジプトで使用されていたハーブは「ヘナ」と呼ばれるものです。これは今でも白髪染めに利用されています。

日本人の毛染めのルーツは、お歯ぐろ式の「墨」

武将が敵に若く見られるために染めたのが、日本初の毛染め

白髪染め_歴史_日本

日本人で初めて白髪染めをした人は、なんとお歯ぐろ式の “墨”で髪染めをしたそうです。しかも、染める理由は美しくなるためではなく、武将が敵に老いていることを悟られないためでした。
当時の若返りは、まさに命がけだったのですね!

敵に勝つためにヘアカラーをした、北陸の武将・齋藤実盛

この話は「源平盛衰記」や「平家物語」に記されていますが、時代は遡ること1183年。篠原の戦いで最期を遂げた北陸の武将・齋藤実盛は、自分が老いていることを悟られないように、墨で髪を黒く塗って敵の目を欺いたのだそうです。「年寄りならやっつけられる」と思われ、甘く見られないように用心したのでしょう。

日本人で初めてヘアカラーをした人というと、リッチでお洒落な初老の女性をイメージしてしまいますが、実は男性でしかも武将だったというのは、ちょっと意外な話です。

白髪染めに使う「酸化染料」ができたのは100年前

染め上がるまでに10時間もかかった、明治時代の白髪染め

では、いま一般的な白髪染めとして世界中に普及している化学染料の「酸化染料」は、いつできたのでしょうか? 「化学染料だから、つい最近のことでは?」と考えがちですが、酸化染料が流行りだしたのは19世紀です。最初に使われたのはヨーロッパで、日本には明治時代末期に伝わり、大正時代から普及し始めました。

それまでの日本人は、タンニン酸と鉄分を用いたお歯ぐろ式の白髪染めを使って、せっせと毛染めをしていました。染め上がるまでに10時間もかかるという大変な作業だったので、2~3時間で染まる酸化染料入りの白髪染めを知った時は、きっと飛び上がるほどうれしかったでしょう!

染毛時間はさらに20~30分に短縮

酸化染料を使った白髪染めは、さらに20世紀に入って酸化剤である過酸化水素が用いられるようになり、染毛時間が20~30分と大幅に短縮されました。
水商売
また、昭和30年代になると、黒色だけでなく褐色や栗色などのカラーバリエーションが生まれ、この頃から「おしゃれ染め」という意識も高まり始めたのです。今ではカラーの種類も豊富になり、若者から高齢者まで、さまざまな人がおしゃれ染めを楽しんでいます。

近代に入り、ヨーロッパから化学染料が伝わる

19世紀にヨーロッパで発見された化学染料は、明治時代後期、日本にも入ってきました。そして明治38年、商品化されます。国内初の酸化染料は「志ら毛染君が代」でした。この当時の色合いは黒のみだったようです。

そして染め上がりまでの時間は2~3時間と大幅に短縮されました。

大正時代に入り、酸化剤として過酸化水素水を用いたものが開発されると、染める時間はさらに短縮し、20~30分ほどになりました。このくらいの時間だと、現在市販で売られている白髪染めとそこまで変わらないですね。この時期に作られた白髪染めが、現在の白髪染めの原型と言えそうです。

昭和に入り、一般にも白髪染めが普及

明治、大正と白髪染めの技術はあったものの、一般に広まったのは昭和40年ごろからでした。最近の技術に思えるのは、このことが原因かもしれませんね。昭和32年に、日本独自の形態、粉末一剤タイプの「パオン」や、「ビゲン」が開発されました。さらに昭和35年に業務用染毛剤である「パオンデラックスヘアーダイ」が登場します。

昭和40年代半ば、有名人の影響を受けて「ヘアカラーブーム」が起こります。その後シャンプー式のものや、現在も市販で見かける液体タイプのもの、2剤式のクリームタイプなど、次々と新商品や新形態のものが販売されるようになりました。

また、それまで黒一色だった色味も、白髪染めが一般化するにつれ、茶色やレッド系、マロン系などバリエーションが増えていったのです。

現在の白髪染めはバリエーション豊か

白髪染めは現在も進化し、新しい種類が登場しています。そのため、さらに白髪染めの選択肢が広がっています。

光で染める白髪染め

平成13年、規制緩和によってノニオン性染料の一つ、HC染料を使用した白髪染めが開発されました。その後、光還元による「感光性染毛剤」、いわゆる「光で染める白髪染め」が生まれました。これは現在、金属製の染料、硫酸銀が使用されているもののことです。そしてこの感光性染毛剤により、さらなる色づきのスピードアップ、発色の改善に繋がりました。

ヘアマニキュアタイプの白髪染め

市販の白髪染めでは、2剤式のヘアカラーなどとともに、酸性専門料と呼ばれる「ヘアマニキュア」も主流です。これはキューティクルの中に染料を染み込ませるのではなく、コーティングすることで発色を楽しめます。そのためヘアカラー剤に比べて髪の毛への負担が少なくて済むケースが多いです。

さらに最近ではシャンプーやトリートメント効果を持ったものも登場しています。この場合、入浴中髪の毛を洗う感覚で使用でき、手軽に白髪染めが楽しめるようになりました。素手で使えるものもあり、肌にも優しいというメリットもあります。さらに、より自然な染め上がりを実現できるようになりました。

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ヘアカラー剤にはムース式や泡タイプが登場

液体やクリームタイプのヘアカラー剤とは別に、ムース式のものや泡で出てくるタイプのものも販売されています。これによってより手軽に、そして液だれしにくく使えるようになりました。

白髪染めは世界中で行われ、変遷を遂げてきた

白髪染めというと、つい最近生まれたものと思われていたかもしれません。確かに化学染料が使われるようになったのは近代になってから、日本で一般に広まったのも昭和の中頃からのようです。

しかし実は、世界中のあちこちで古代から行われてきたという、大変長い歴史を持つものだったんです。

時代の移り変わりに従い、白髪染めに使われる染料は天然のものから化学染料へと移行し、染め上がりまでの時間の短縮や、発色の改善もされてきました。そして現在、そのスピードと発色を活かしつつ、無添加のものや天然染料を使用した白髪染めも登場しています。

白髪染めはこれからも時代とともにさらに進化をし続けるのではないでしょうか。

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